わが師・わが友―和田利政先生―

 和田利政先生とは、研究会や学会のあとの懇親会でご一緒して、さまざまなことを教えていただきました。特に印象に残っているのは、折口信夫の話と、『学研国文法』の話です。

折口信夫は、もともとは「おりくちのぶお」でしたが、安田喜代門(やすだきよもん)と教授会で意見が対立したときに、お互いに、名前の読み方を「おりくちしのぶ」にしたらいかがですか?「やすだきよと」にしたらどうですか?という応酬になったそうです。それ以来、「おりくちしのぶ」になったとのことでした。

『学研国文法』は名著でしたが、教授資料として使用されていました。そのため、旺文社から、もう少し学生向けに簡約版の依頼があったのですが、面倒でそのままにしてしまったそうです。すばらしい本なので、惜しいと思います。この本の例文は、主に岡崎正継先生が、収集されたものだそうです。「岡崎さん、ここまでこだわって用例を探すことはないのに」と和田先生から言われたと、岡崎先生はおっしゃっていました。

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